店舗什器を作る豆知識什器の粉体塗装って何?
通常の塗料は液体です。
ですが、この粉体塗装に使う塗料は何とパウダーです。
サラサラの小麦粉のようなパウダーを、静電気の力で対象物に固着させるという方法をとります。
対象物と塗り手が入るブースの中で、静電気を発生させる特殊なスプレーガンを使って、塗装します。
その後は、前コラムで扱ったメラヤキと同様に、200度近い高温の窯の中で焼き付けて硬化させて完成品となります。
メラヤキより価格は上がりますが、より高耐久な塗膜が出来上がる為、より広い用途での利用が可能です。
例えば、自動車のホイールに粉体塗装で塗装すれば、アクリル樹脂塗料と同程度の強度な塗膜ができあがります。
メラヤキが主に室内使用に適しているのに対し、粉体塗装は室外使用に適しているほど、丈夫です。
また、パウダー状なので、くっ付かなかったパウダーはまた再利用出来るという、液体塗料とは全く違った特徴もあります。
更に、他の塗料と違いシンナーやトルエンなどの溶剤を使用していない、地球にやさしいエコな商品であるという点も、今の時代に指定塗料とされるゆえんでもあります。
店舗什器を作る豆知識什器の粉体塗装は時間が掛かるの?
通常の塗料を使った塗装では、1回目は薄く、2回目から色付けしていくと言われます。
1回で仕上げようとすると、液垂れや色むらが発生したりする原因だからと言われますが、粉体塗装は逆に1回でOKです。
1回でも全く錆を寄せ付けない位の十分な塗膜の厚さを確保しつつ、色むらも起きず均一な仕上がりになるのが特徴です。
塗った後、乾き待ちをするのではなく、直ぐに200度近い高温の窯の中で焼き付けて定着させるので、むしろ短時間で完成します。
店舗什器を作る豆知識何にでも粉体塗装はできるの?
窯の中で200度近い高温になるので、金属製限定となります。
塩ビ系やスチロール系や木質系はもちろんNGです。
身近な所だと、郵便受けや、宅配便BOX、ブレーカーBOXなど、主に外部での使用に耐えうる塗装として活躍している方法です。
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この什器コラムを書いた人
什器設計施工管理大石行良
学生時代は全く関係ないことを学んでいたが、大学卒業後一念発起しバンタンデザインでデザインを勉強し直し、「モノを作る」という分かり易い仕事がしたいと思い、木工所に就職。
以来、店舗什器や住宅の造作家具、内装監理の経験を積み、製作現場から施工現場まで一貫して対応できる専門家として数多くの実績を持っています。
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